こんにちは。うい(@uiuiuipot108081)です!
血液は、私たちが思っている以上に多くの情報を含んでいるものです。
不妊治療では、採血の機会が多くあります。クリニックにより差はあるものの、一般的には以下4つの時期に応じた検査が主流です。
治療初期 | スクリーニング検査 |
---|---|
月経中 | 基礎ホルモン検査 |
排卵期 | 黄体形成ホルモン検査 |
高温期 | 黄体ホルモン検査 |
方針にもよりますが、各検査でわかる数値を細かく説明してくれる医療機関は稀です。
そこで本記事では、採血の基礎知識をできる限りわかりやすく解説していきます。医師任せではなく自分自身で考え、納得しながら治療を進めてみませんか?
本記事の内容は医療機関から提供された情報や、ネット・文献などで調べた情報をもとに記載しております。正確性の保障はできないため、あくまで参考にとどめていただき、詳しくは医療機関へご相談ください。
こんな人におすすめ
- 不妊治療中
- 採血の機会が多い
- 血液検査結果の意味を知りたい
- 妊娠に向けた体づくりをしたい
本記事にはPRが含まれます。あらかじめご了承ください。
不妊治療初期「スクリーニング検査」
不妊治療初期では、自分の体がどういう状態なのか診断する「スクリーニング検査」から入るのが一般的です。
直訳で「選別する」の意。複数の治療ステップのうちどの段階から始めるべきか診断する。
採血のスクリーニング検査ではこんなものがあります。
数値は日々変動するため、定期的に再検査を要する検査もあります。
①貧血検査
貧血の度合いをはかる「血算」は、不妊治療以外でもポピュラーな血液検査です。
検査項目と基準値
白血球数 | 3,500~9,100 /μL |
---|---|
赤血球数 | 376~500 *10000/μL |
血色素量 | 11.3~15.2 g/dL |
ヘマトクリット値 | 33.4~44.9 % |
MCV | 79.0~100.0 fL |
MCH | 26.3~34.3 pg |
MCHC | 30.7~36.6 % |
血小板数 | 13.0~36.9 *10000/μL |
おおむね基準値以内であれば、貧血の所見はないと判定されます。
ここで注目したいのは「赤血球数」と「血色素量」です。いずれかが少ない場合「貧血」と診断されます。
赤血球のなかにあるヘモグロビンの量。
不妊因子の可能性
貧血は「着床障害」と繋がりがあるといわれています。
体外受精等で形態が良い胚を移植しても、繰り返し着床しないこと。着床に至る過程は複雑なため原因を特定するのは難しい。
鉄分の不足は女性ホルモンの欠乏を招きます。同時にヘモグロビン量も減少するため、酸素を運搬できなくなります。
つまり、子宮内膜の成熟に影響してくるわけです。
治療方法・方針
- 鉄を含む食品を積極的に摂取する
- 鉄分サプリを服用する
日頃から意識的に鉄分を摂取しましょう。以下を代表とする、鉄分を多く含む食品をよく食べてください。
- レバー
- 貝
- 大豆
- 赤身の肉
- 魚
- 卵
②隠れ貧血検査
一般的な血液検査では上の血算のみで貧血を診断します。
しかし実は、それだけでは潜在的な” 隠れ貧血 “を暴くことができません。それを特定するのがこの「隠れ貧血検査」です。
検査項目と基準値
フェリチン | 3.6~114 ng/mL |
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鉄の7割以上が先ほどの「赤血球」に含まれています。しかし赤血球数が足りているから貧血でない、と決めつけはできません。
残3割が該当するのが血清鉄、組織鉄、フェリチン。
貯蔵鉄。女性は月経があるため、潜在的にフェリチン消費量が多い。
フェリチンの基準値は3.6ng/mL以上ですが、これはあくまで健康体としての基準です。
妊娠を望むなら「25ng/mL以上」が望ましいとされています。
不妊因子の可能性
前項と同様、隠れ貧血も「着床障害」の要因になります。
また鉄不足は卵胞の成長や質にも直結します。妊娠を望むなら、鉄不足は 大敵 です。
治療方法・方針
- 鉄を含む食品を積極的に摂取する
- ヘム鉄サプリを服用する
フェリチン不足の人におすすめなのは「ヘム鉄」サプリメントです。
鉄は「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」に大別される。非ヘム鉄は体内への吸収率が低い。
フェリチンは日々消費するため、十分な数値だったとしても意識して摂取していきましょう。
③隠れ糖尿病検査
「隠れ糖尿病検査」では、通常の健康診断ではわからない糖尿病の初期症状を見つけます。
不妊症の関連性についてなじみのない糖尿病。実は、意外な弊害があるのです。
検査項目と基準値
HbA1c(NGSP) | 4.6~6.2 % |
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糖尿病は一般的に血糖値から判定します。
その血糖値に異常が反映されない段階で、糖尿病の兆候を発見できるのが「HbA1c」。
ヘモグロビンと結合したブドウ糖(糖化ヘモグロビン)を総ヘモグロビン量で割った割合を指します。
不妊因子の可能性
糖化は「卵子の質の低下」や「卵巣機能の低下」に直結します。
卵子はタンパク質です。タンパク質の糖化は卵子の老化に繋がり、排卵障害や体外受精の成績にも影響します。
ほかには、妊娠後の流産の可能性が上がるという研究結果も出ています。
治療方法・方針
- 糖質制限の食事をとる
- 専門医療機関で治療する
基準値内であれば、日頃の食事で糖質制限を心がけるといいでしょう。
肥満や糖尿病の治療を目的として炭水化物の摂取比率や摂取量を制限する食事療法。本質的には、炭水化物で摂取していたエネルギーをタンパク質と脂質に置き換える食事法である。
引用:Wikipedia「低炭水化物ダイエット」
著しく高い数値が出た場合は、専門医療機関で治療を要することがあります。
④クラミジア抗体検査
不妊治療の初期検査として、「クラミジア抗体検査」の重要性は非常に高いです。
検査項目と基準値
C・トラコマティスIgG | 0.90未満 |
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C・トラコマティスIgA | 0.90未満 |
クラミジア感染症は、性感染症のうち もっとも頻度の高い疾患 といわれています。
クラミジア感染症を診断するには、直接的な「抗原検査」と間接的な「抗体検査」が有効です。不妊治療の分野では後者が主流となります。
細菌等に感染した場合に作られる免疫の有無により、感染歴を診断する。
不妊因子の可能性
クラミジア感染症はさまざまな炎症を引き起こします。
- 子宮頸管炎
- 骨盤腹膜炎
- 卵管炎
子宮頸管炎は「頸管性不妊(頸管粘液不全)」の原因になりかねないですし、
卵管炎は「卵管性不妊」や「子宮外妊娠」のファクターになり得ます。
治療方法・方針
- 治療薬を内服する
- 子宮卵管造影検査で通過性を診断する
クラミジア抗体検査では既往感染(感染歴)があると、治療後も陽性判定になることがあります。
現在は治療に有効な抗生剤があるため、内服すればすみやかに陰性化が可能です。
検査結果で現在の感染が否定できない場合は、夫婦揃って治療が必要です。
⑤風疹抗体検査
「風疹抗体検査」では、出生児に影響を及ぼす要素を調べます。
検査項目と基準値
風疹(EIA) | 8.0未満 |
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風疹抗体もクラミジア抗体検査と同様、体内の抗体で診断できます。
ただしこの検査では抗体の有無でなく、抗体価の” 数値 “で診断します。検査方法は大きく2つあり、上の基準値では「EIA法」を用いています。
一方「HI法」では単位を「倍」とあらわし、基準値は「32倍以上」です。
妊娠に対するリスク
免疫のない女性が妊娠初期に風疹へ感染すると、非常に厄介なことが起こります。
風疹ウィルスが胎児へ感染し、出生児に「先天性風疹症候群」と総称される障害を引き起こす可能性があるのです。
先天性風疹症候群は、妊娠中の風疹ウイルス感染により、難聴、心疾患、白内障を主とする様々な先天異常を生じる疾患であり、その予防には、ワクチン接種が有効で ある。
不妊治療をする以上は、妊娠に向けて万全な状態を整えておく必要があります。
治療方法・方針
- 風疹ワクチンまたはMRワクチンを接種する
風疹抗体が満たない場合の唯一の治療手段は、論文にもあるとおりワクチンの接種です。
最近では地方自治体が「予防接種費用助成事業」をおこなっているケースも多く、安価で接種できます。お住まいの市区町村へ問合せるといいでしょう。
なおMRワクチンとは麻疹と風疹の混合ワクチンを指し、いずれも風疹の治療には有効です。
風疹ワクチンは生ワクチンのため、免疫がつくまで2カ月程度の避妊を推奨されます。
⑥卵巣予備能(AMH)検査
近年注目されているのがこの「卵巣予備能(AMH)検査」です。
不妊治療の計画を立てるうえで重要な指標になります。
検査項目
抗ミュラー管ホルモン(AMH)
AMHは別名「抗ミュラー管ホルモン」ともいい、発育中の卵胞から分泌されるホルモンです。
血中のAMH値が原始卵胞(卵巣内で待機している卵胞)の数を反映するといわれ、原始卵胞数が減少するとAMH値も低くなるとされています。
卵巣予備能とは、妊孕能からみた卵巣の有する潜在的な卵の量的・質的能力を表す概念である。これにより、個々に最適な卵巣刺激法を選択すること。不妊治療の予後、閉経への移行までの生殖可能年齢などを予測して、不妊治療の効率向上が期待される。
卵子の質は年齢に相関するため「AMH値が低い=妊娠しにくい」とは一概に言えません。
それにAMH値は個人差も大きく、基準値は設定できません。上の図も「中央値」をあらわしています。
不妊因子の可能性
AMH値は低すぎても、高すぎても良くありません。
具体的には、低すぎる場合に自然排卵しづらくなる傾向があります。排卵誘発剤の刺激を受けづらく、不妊治療が滞ります。
一方、値が著しく高い場合は「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」が疑われます。
卵巣内に複数の卵胞が排卵せず残存し続ける症状。不妊症や無月経、稀発月経等に直結する。
治療方法・方針
数値が高いか低いかによって治療方針は大きく変わります。
スマホでスクロールできます
低濃度の場合 | 治療のステップアップを検討する |
---|---|
高濃度の場合 | 卵巣刺激方法を工夫する |
内服薬で治療する |
AMHが低濃度の場合は、早い段階で治療のステップアップが望ましいです。人工授精、ないしは体外受精等の生殖医療へシフトします。
一方AMHが高濃度の場合は、卵巣刺激療法で稀に「卵巣過剰刺激症候群(OHSS)」が併発するリスクがあります。
そのため刺激しないよう治療方針を工夫したり、漢方薬で治療したりします。
月経中「基礎ホルモン検査」
不妊治療では、月経中に調べる「基礎ホルモン検査」も重要です。
月経でリセットされた状態なので、身体の” 基礎数値 “を見る時期として適しています。
①基礎ホルモン検査
月経2~3日目の「基礎ホルモン検査」では、2つの数値を調べます。
各々異なる役割を持つホルモンですが、これらに異常があると同一の不妊症を引き起こします。
検査項目と基準値
テストステロン | 0.11~0.47 ng/mL |
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プロラクチン | 3.4~24.1 ng/mL |
前者の「テストステロン」は、いわば男性ホルモンです。卵胞発育過程で産生されます。
排卵前はLH(下垂体ホルモン)が作用し「テストステロン」を産生するが、排卵後はそのはたらきが抑制され、代わって「プロゲステロン」が産生される。
つまり、テストステロン値が高いことは 排卵前 と同義なのです。
一方、後者の「プロラクチン」は乳汁分泌ホルモンを指し、著しく高い場合は「高プロラクチン血症」と診断されます。
不妊因子の可能性
テストステロン値が高いことは、「排卵前の卵胞が多い」と解説しました。
一方のプロラクチンも「排卵障害」に直結するほか、黄体機能不全や流産、卵胞の発育などさまざまな分野の関係性が疑われています。
治療方法・方針
少し高い場合 | 内服薬で治療する |
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著しく高い場合 | 精密検査をする |
いずれも軽度な上昇であれば、まずは内服薬で様子を見ます。
再検査で数値の低下がみられないと、専門医療機関で精密検査を要するケースもあります。
②下垂体ホルモン検査
排卵は、何も子宮だけが関与しているとは限りません。卵巣から遠く離れた「脳」もまた、排卵にとって重要な役割を担っています。
脳から正しい指令が送られているか、この「下垂体ホルモン検査」で調べていきましょう。
検査項目と基準値
LH | 2.4~12.6 mIU/ml |
---|---|
FSH | 3.5~12.5 mIU/mL |
本来、排卵は以下3つのキーがうまく連携することで、初めて起こります。
現場といえる卵巣へ指示を送るのが、この「下垂体ホルモン」です。
下垂体ホルモンに含まれるLH(黄体刺激ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)は、それぞれ黄体・卵胞を刺激して排卵を促します。
不妊因子の可能性
いずれも異常高値の場合「卵巣性無排卵」が疑われます。
卵巣の中の原始卵胞が極端に少なくなり、排卵が起こりにくくなる状態。無排卵症の中でもっとも治療が難しい。
一方、異常低値の場合は「排卵障害」「下垂体機能低下症」の可能性があります。
治療方法・方針
スマホでスクロールできます
異常高値の場合 | 治療のステップアップを検討する |
---|---|
異常低値の場合 | ホルモン補充療法をとる |
原因疾患を治療する |
値が高く、卵巣性無排卵の疑いがあるならまず治療のステップアップが検討されます。
値が低い場合は、不足するホルモンの補充療法が基本です。原因不明のケースも多く、ホルモン補充により問題なく不妊治療を継続できることもあります。
稀に「下垂体腺腫」と呼ばれる腫瘍が原因にあり、摘出手術が必要になることもあるようです。
③甲状腺ホルモン検査
甲状腺とは、喉仏の下に位置する組織です。
妊娠の維持や胎児の成長に重要な「甲状腺ホルモン」を分泌します。下垂体と同様、子宮から離れたところより妊娠をバックアップするホルモンです。
検査項目と基準値
TSH | 0.500~5.00 μIU/ml |
---|---|
Free T3 | 2.30~4.30 pg/mL |
Free T4 | 0.90~1.70 ng/mL |
TSHは「甲状腺刺激ホルモン」です。甲状腺ホルモンを調節する役割を担います。
一方、Free T3とT4は甲状腺から産生される「甲状腺ホルモン」そのもの。
不妊因子の可能性
甲状腺ホルモンが不足している状態を「甲状腺機能低下症」。
そして甲状腺刺激ホルモンが基準値より上回った状態を「潜在性甲状腺機能低下症」といいます。いずれも不妊因子です。
甲状腺機能異常者には月経異常が多く、不妊率の高いことは以前から知られている。また、甲状腺と卵巣機能の関係も古くから基礎的、臨床的研究がなされている。
脳下垂体で産生されるTSHは「プロラクチン」と連動しますが、甲状腺機能が正常でない場合はTSHとともにプロラクチンも上昇し、排卵障害を引き起こします。
なおかつ、受精できたとしてもTSH異常高値により流産のリスクが高まります。
治療方法・方針
- 食事によるヨード摂取を控える
- ホルモン補充療法をとる
基準値内であれば、日常生活での食事に気をつけるといいでしょう。
食品に含まれる「ヨード」が甲状腺ホルモンの低下に関与するといわれているため、以下のような食品は意識的に避けるようにしてください。
- 昆布
- わかめ
- ひじき
基準値を下回っている場合は、薬の投与で経過を見るのが一般的です。
④卵巣ホルモン検査
女性ホルモンは大きく「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」に分けられます。
このうち前者を「エストロゲン」といい、エストロゲンの主要成分のなかでもっとも強い作用をするのが「卵巣ホルモン(エストラジオール)」です。
検査項目と基準値
エストラジオール(E2) | 25~85 pg/mL |
---|
「エストラジオール」は卵巣から産生されるため、卵巣機能をはかる値として有効です。
卵胞刺激ホルモン(FSH)が卵巣に作用し、成熟卵胞から分泌されます。エストラジオールは子宮内膜を厚くし、子宮頸管粘液(おりもの)の分泌を促します。
不妊因子の可能性
卵巣の反応性を評価するには、基準値より高くても低くても良くありません。
異常高値の場合は「卵巣過剰刺激症候群(OHSS)」の疑いがあり、異常低値の場合は「卵巣機能不全」や「胎盤機能不全」が疑われます。
治療方法・方針
- 規則正しい生活習慣を心がける
- 治療のステップアップを検討する
結論からいって、卵巣ホルモンを 増やすことはできません 。
女性ホルモンの分泌量は年齢とともに変化し、20代後半から30代前半をピークに減少していきます。これは動かせない事実です。
では、値が低い場合に何も対策できないのか?というと、そうでもありません。女性ホルモンは自律神経を安定させることで、ある程度コントロールできます。
栄養バランスのとれた食事と十分な睡眠、適度な運動を心がけたいですね。
値が著しく低い場合は、すみやかに治療のステップアップの措置が取られることもあります。
排卵期「黄体形成ホルモン検査」
「黄体形成ホルモン」は、前項で触れた「下垂体ホルモン」のひとつです。
基礎値では排卵障害等の特定目的でおこなう検査ですが、排卵期(排卵前)では別の目的で用います。
①排卵時期特定検査
排卵前の採血のおもな目的は、ほぼ” 排卵時期の特定 “に当てられると思っていいでしょう。
最近になり広く知られるようになった「排卵日予測検査薬」と同じ狙いがあります。
検査項目と基準値
LH | 14.0~34.9 mIU/ml |
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前述の「黄体刺激ホルモン」のLHは、月経周期のうち特定の期間のみ値が跳ね上がります。
LHの値が急激に跳ね上がること。LHサージがあってから40~48時間以内に排卵が起こるとされる。
このLHサージを見極めることで排卵日を絞り込み、受精の精度を高めます。
不妊因子の可能性
排卵期のLH値が基準値より高い場合は、卵巣内にいくつもの卵胞が残存し続ける「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」が疑われます。
逆に基準値より低い場合は、プロゲステロンの分泌不足による「黄体機能不全」の可能性が高まります。
いずれも不妊のファクターとなりますので、早急な治療が必要です。
治療方法・方針
高い場合 | 自律神経を整える |
---|---|
内服薬で治療する | |
低い場合 | ホルモン補充療法をとる |
視床下部と下垂体はストレスに非常に敏感です。「妊活にストレスは大敵」といいますが、医学的にも立証されているわけですね。
日頃からストレス発散を心がけ、リラックスした環境に身を置くといいでしょう。
数値が低い場合には、黄体を刺激するhCG注射などが有効です。
高温期「黄体ホルモン検査」
排卵後の高温期(黄体期)に限っておこなう血液検査もあります。
①黄体機能検査
排卵後の高温期になり、活発に分泌されるのが「黄体ホルモン」です。
黄体ホルモンは子宮内膜へ作用し、着床の準備を整えます。人工授精や体外受精では、着床率の向上のため投薬で補充することもあります。
検査項目
P4 | 10.0~ ng/mL |
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「P4」は、名称を「プロゲステロン」といいます。
排卵後の卵胞から分泌されるホルモンです。体温を高温期へ移行させ、妊娠を維持するはたらきをします。
黄体ホルモンであるプロゲステロンは妊娠の成立維持に重要なホルモンであり、黄体機能不全に伴う不妊症への投与は重要な薬物治療法のひとつである。
このP4もE2と同じで、時期により数値が変動します。排卵後では「10ng/mL以上」が正常です。
不妊因子の可能性
プロゲステロンの分泌量が少ない場合、疑われるのが「黄体機能不全」です。
子宮内膜の厚みが不十分では「着床障害」や、妊娠の維持ができず「初期流産」の原因にもなります。
もうひとつ、ここで気をつけたいのが「黄体化非破裂卵胞症候群(LUF)」という症状です。
卵胞が成長して排卵期が来ても破裂せず、排卵が起こらないまま卵胞が黄体へと変化する症状。黄体から分泌されるプロゲステロンにより基礎体温は上昇するため、排卵と間違いやすい。
治療方法・方針
- ビタミンEを摂取する
- ホルモン補充療法をとる
黄体ホルモンの分泌を助ける栄養素には「ビタミンE」があります。食事から意識的に摂ることを心がけましょう。
- ナッツ類
- 大豆
- 魚卵
- 緑黄色野菜
ほかに、サプリメントで摂取する選択肢もあります。
ホルモン剤内服薬やhCG注射投与の措置が取られることもあります。
おわりに
何も考えず腕を差し出していた私ですが、こうして調べたことでなぜ採血するのかわかるようになりました。
納得して治療と向き合えるようになった気がします。
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