こんにちは。うい(@uiuiuipot108081)です!
不妊治療には、大きく3つのステップが存在します。
なかなか自然妊娠しないと悩む人が、まずトライすべきはステップ1「タイミング療法」です。タイミング療法は一般的な産婦人科でも受けられます。
一説では、タイミング療法で妊娠する確率は1周期あたり「約3~5%」といわれています。期間にして約半年~1年の試行で妊娠しない場合、ステップアップを検討するのが一般的です。
このたび、奇しくも私自身がそのケースに該当しました。
私の妊活ステータス
- 30代前半
- 妊活歴2年以上
- 不妊治療歴1年以上
- 専門院のタイミング試行5回以上
そこでいよいよ、医師と相談のうえステップ2「人工授精(AIH)」へ挑戦する決断をします。
これは、右も左もわからない私が「人工授精は何たるか」を学びながら、自分の体で体験していくまでの奮闘記です。
こんな人におすすめ
- 人工授精がどういうものかわからない
- 人工授精の費用を知りたい
- 人工授精の一連の流れを知りたい
- 人工授精の体験記を読みたい
- 不妊治療のステップアップを検討している
本記事にはPRが含まれます。あらかじめご了承ください。
不妊治療のひとつ「人工授精(AIH)」とは
とはいえ、初めての人工授精では知らないことのほうが多いです。
そこで最低限の知識を身につけて臨むべく、予習から始めてみることにしました。
「人工授精(AIH)」のしくみ
人工授精は英名で「AIH」といいます。
Artificial Insemination of Husband
要は夫の精子を人工的に何かして、授精へと結びつけるようなイメージです。
図解で見ていきましょう。
「人工授精(AIH)」の手順
人工授精はざっくりいって、3つの手順で進行します。
精子を採取する
精子を洗浄・濃縮する
精子を子宮内へ注入する
これにより以下を代表とする障害をクリアーできるといいます。
受精までの障害
- 精子が子宮頸管を通過できない
- 精子が奥までたどり着けない
- 排卵のタイミングと合わない
くわえて精子の洗浄・濃縮により活発な精子を選べることから、相対的に受精の確率が高まります。
「人工授精(AIH)」の妊娠率
人工授精を検討する人の最大の関心事は、何といってもその「妊娠率」にあるでしょう。
…と淡い期待を抱きたくもなりますが、現実は想像以上に 残酷 です。
妊娠率 | |
---|---|
タイミング療法 | 3~5% |
人工授精 | 5~10% |
体外受精 | 30~35% |
引用:恵愛生殖医療医院
出典元の医院による参考値です。
繰り返しますが、人工授精は極めて自然妊娠に近い治療法です。逆にいえば飛躍的に妊娠率が高まるわけではない、というわけですね。
厚生労働省の調査によれば、人工授精の試行回数の上限は「5~6回」を目安としています。
「人工授精(AIH)」の持ち物
人工授精はタイミング療法と違い、いろんな準備が必要です。
もちろん心構えもそうですが、AIH当日までに用意しておくものが2つあります。いずれも早めに取り寄せておくとよいでしょう。
クリニックにより内訳が異なる場合があります。
戸籍謄本または住民票
人工授精(AIH)では、婚姻関係の証明として以下いずれかを提出する必要があります。
- 戸籍謄本
- 住民票
私の通うクリニックでは、できる限り「戸籍謄本」を優先して取るよう指示がありました。住民票なら「続柄」の記載が必須です。
人工授精同意書
もうひとつ、クリニックの方針によりますが「同意書」の提出を求められることもあります。
私の通うクリニックでは、以下のような項目について同意を求められました。
- 人工授精の方法
- 治療に伴う副作用
- 多胎の可能性
- 人工授精実施の意義
- 成功率
注目すべきは「多胎の可能性」でしょうか。
一定であった多胎出産率が増加に転じたのは1970年代である。多胎出産の増加は、不妊治療、なかでも生殖補助医療技術の発展の影響を受けている。
治療の過程で排卵を誘発する関係から、自然妊娠に比べて卵子が複数育つ可能性が高まります。その結果、双子以上を妊娠する確率が増えるのです。
地元の友達のひとりが平成最後に双子を出産して、複雑な気持ちをグッとこらえて盛大にお祝いした矢先、
今日またひとりから双子を出産したと連絡が入り、さすがに動けなくなってる。
大切な友達に対してこんな思いを抱くなら、不妊治療など辞めてしまいたい😢心から「おめでとう」と言いたいのに。
— うい (@uiuiuipot108081) May 10, 2019
同意書は提出前にコピーを取り、自宅に保管しておくといいでしょう。
私の「人工授精(AIH)」の流れと費用
それではいざ、初の「AIH周期」スタートです!
私の場合、以下の手順で人工授精の準備を進めていきました。月経開始間もないタイミングで通院を開始します。
①「D4」血液検査・薬処方
人工授精にあたっては、夫婦それぞれ「血液検査」が必要となります。調べる項目はこちら。
妻 | 夫 | |
---|---|---|
感染症 | ○ | ○ |
抗精子抗体 | ○ | × |
AMH | ○ | × |
妻に限っては「月経中」に受ける必要があります。
抗精子抗体は「フーナーテスト」で検査をしていても必要です。
相性がわかる「フーナーテスト」
その不妊、相性が原因かも…?治療初期に受けたい「フーナーテスト」とは
なお私はこの時点で「人工授精同意書」を用意できていたため、ここで提出しています。
AIH周期の治療費は保険が適用されないため、全額自費となります。この日は検査代・薬代で「約3万円」かかりました。
処方された薬・サプリメント
この日は3つの薬が処方されました。
クロミッド | 5日分 |
---|---|
プレドニン | 14日分 |
ビタミンDサプリメント | 30日分 |
クロミッド
ご存知、不妊治療でもっともポピュラーな排卵誘発剤「クロミッド」。
卵胞の発育を促し、排卵を促進させるためのおくすりです。人工授精においても” 排卵 “はキーとなりますので、D5から毎日服用しました。
プレドニン
「プレドニン」を服用するのは初めてです。
医師曰く、クロミッドとは異なる角度から卵胞を育てるおくすりとのこと。着床を促す効果もあるらしく、着床障害などに有効な錠剤のようです。
D5000ミセル
さらにサプリメントの「ビタミンD」も摂ることになります。
②「D7」夫の血液検査
D4では私のみ採血したため、別日で夫にクリニックへ行ってもらいました。
妻と違い夫の採血の時期に指定はありませんが、人工授精に向けた採血では検査結果が出揃うまで数日かかります。
AIH当日に結果が間に合うよう、夫も早めに受けたほうがいいですね。
すでに取り寄せてあった「戸籍謄本」は、この日に夫から提出してもらっています。
この日は夫の検査代だけで「約1万円」でした。
③「D14」卵胞の発育確認
D4時点で、次のエコー検査の日取りを決めていました。月経開始から2週間後の本日、D14です。
予定どおりエコーを受けると、この日の卵胞の大きさは「17mm」ということでした。周期が長めの私にしてはいい成長率ですね。
そしていよいよ、医師から「人工授精実施日」を言い渡されました。
医師
このノリの良さ、クリニックにあるまじき光景だと思います。
エコー検査とAIHキット諸々込みで、この日は「約2万5千円」かかっています。
「AIHキット」の内容
医師からAIH決行の合図があってから、別室にて看護士による人工授精の説明がありました。
このとき受け取った「AIHキット」の中身はこちら。
- 精子用の容器
- 点鼻スプレー
精子用の容器
不妊治療初期に「精液検査」を受ける人も多いはず。助成金申請にも必要な検査です。
その検査と同じ容器に、同じ手順で採取して持参することになります。雑菌が侵入するのを防ぐため、外袋は採取直前に開けるようにしましょう。
点鼻スプレー「ブセレキュア」
そしてもうひとつ、人工授精のカギを握る「点鼻スプレー」です。
人工授精の精度を高めるにはAIH当日前後にきっちりと排卵させる必要があります。その排卵を誘発する役目が、このスプレーです。
AIH前日に使うものですので、詳しくは以下をご覧ください。
④「D17」点鼻スプレー
私のAIH実施日は「D18」。その前日にあたるD17にて、この「点鼻スプレー」を使用します。
持ち方はこんな感じ。
上に向けて何度か空押ししてから、鼻腔に入れて指定回数を噴霧します。終わったら顔を上に向け、鼻呼吸を繰り返しましょう。
鼻から口に液が流れ出ると、少し苦く感じますが問題ないようです。これで排卵を促せるなんて何だかおもしろいですね。
私の通うクリニックでは、点鼻スプレー投与から「24~40時間後」に人工授精を実施することになっています。投与の時間帯は医師の指示に従ってください。
⑤「D18」人工授精実施
いよいよ人工授精(AIH)当日です!
精子は採取後3時間以内にクリニックへ持ち込む必要があります。採取したらアルミホイルで容器を包み、紙袋に入れた状態でクリニックへGO!
私の人工授精当日の流れと所要時間は、ざっくりこんな感じでした。
精子の洗浄・濃縮(1時間)
問診(5分)
人工授精の処置(5分)
全部で2時間ほどでクリニックを後にします。
AIH自体はカテーテルを通して奥に注入するため、体感は「子宮卵管造影検査」と変わりません。痛みもないです。
子宮卵管造影検査
痛い?怖い?不妊治療で避けては通れない「子宮卵管造影検査」の真実
終わったあとしばらくは精子の戻りがあるので、ナプキンを当てます。当日の入浴はシャワーで済ませましょう。
人工授精の処置代と薬代等で、しめて「約3万円」かかりました。
処方された薬
AIH当日も薬を処方されました。内訳はこちらです。
セフゾン | 2日分 |
---|---|
デュファストン | 10日分 |
セフゾン
いわゆる” 抗菌薬 “です。
人工授精の過程で細菌が体内に入り込む恐れがあります。そのためAIH後2日間にわたり服用し、細菌から身を守ります。
デュファストン
「デュファストン」は黄体ホルモンを補充するおくすりです。黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌を助けることで、着床しやすい状態へと導いてくれます。
私の場合はAIH後、3日ほど日を空けてから服用するよう指示がありました。
おわりに
こうして無事、初めての「人工授精(AIH)」を終えました。
実際に受けてみてわかりましたが、何てことないです。「痛い」「怖い」といった口コミも見かけますが、今は技術も進歩していますからまず心配ありません。
私の体験談が、あなたの背中を押すきっかけとなれば嬉しいです。
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「人工授精(AIH)」の総費用
今回かかった費用は、全部で約9万5千円でした。
初回の人工授精で必要な費用は 10万円 が目安、というところでしょうか。2回目以降しばらくは検査をスキップできるため、もう少し安くなりそうです。
ちなみにこの人工授精、一般不妊治療助成金の対象となります。
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