こんにちは。うい(@uiuiuipot108081)です!
前回の記事で、タイミング法から人工授精(AIH)へステップアップした私。
初めての「人工授精」体験記
初めての人工授精(AIH)体験記。私のリアルな費用と流れを全公開
AIHの妊娠率は決して高くないことから、期待半分でいたところ案の定リセット。
精子の所見は悪くないため、AIHは1回限りで第3段階「体外受精」へとステップアップすることにしました。
ここで、私の背景をおさらいしておきます。
私の妊活ステータス
- 30代前半
- 妊活歴2年以上
- 不妊治療歴1年以上
- 専門院のタイミング試行5回以上
- 専門院のAIH試行1回
本記事では初めての体外受精について、準備段階から時系列で振り返っていきます。
私のありのままの体験談が、見知らぬあなたと、未来の私へ勇気を与えられますように。
こんな人におすすめ
- 不妊治療中
- 体外受精を控えている
- 体外受精の体験記を読みたい
- 不妊治療のステップアップを検討している
本記事にはPRが含まれます。あらかじめご了承ください。
初めての体外受精は知らないことだらけ
初の人工授精(AIH)が失敗に終わると、その次周期から早速体外受精へと移行します。
月経初日をD1とし、D2に早速通院です!
D2 | 血液検査&体外受精の説明 |
---|---|
D3~D7 | 排卵誘発剤の服用 |
「D2」血液検査&体外受精の説明
私の通うクリニックでは、体外受精にあたり血液検査が必要です。内訳はこのとおり。
- AMH
- 夫婦感染症
- HbA1c
- 凝固
- 抗精子抗体
- 血算
- 血液型
- 生化学
うち上3つは人工授精で済ませてあり、4・5番目も不妊治療初期の採血でわかっています。したがってこの場では太字の3項目のみ実施しました。
これと同時にホルモン採血もおこない、エコー検査もあわせて今周期の治療方針が決まります。
検査代、薬代あわせて「約2万円」かかりました。
採卵周期の誘発方法
血液検査とエコー検査、患者の年齢などから体外受精のスケジュールを検討します。
クロミッド | hMG注射 | |
---|---|---|
自然周期 | × | × |
低刺激周期 | ○ | × |
中刺激周期 | × | ○ |
体外受精では、卵子の採取(採卵)は排卵直前におこないます。つまり排卵に近づけるまでは、基本的にこれまでの治療法と変わりありません。
とはいえ、より多くの卵胞を発育させたほうが結果として採卵数も多くなり、受精、ひいては妊娠の期待値も高まるのは明らか。
ですので採卵周期では、服薬や注射により卵胞の発育を促進させることが多いです。
体外受精の提出物
体外受精では、人工授精で提出した戸籍謄本や同意書のほかにも多くの書類が必要です。以下は私の通うクリニックの一例。
- 採卵・体外受精操作(IVF・ICSI)に関する同意書
- ART実施に対する同意書
- 受精卵凍結保存に関する同意書
- 新鮮胚移植に関する同意書
- 体外受精施行にともなう料金体系(成功報酬制度)に関する同意書
- 麻酔に関する問診票
- 麻酔に関する同意書
これらの書類をいただき、体外受精の流れの説明を受けて帰宅となりました。
「D3~D7」排卵誘発剤の服用
ご存知、排卵誘発剤の「クロミッド」。不妊治療でもっともポピュラーなくすりです。
採卵周期でもこのクロミッドが頼りになるわけですが、これまでと違うのはその 量 。
AIHまでは日に1錠ずつだったのを、体外受精ではD3から2錠/日のペースで5日間服用しました。スタートダッシュがハンパないです。
体外受精説明会
通常、体外受精へ入るにはクリニック主催の「説明会」参加を義務づけられることが多いです。
私たちの場合はタイミングの兼ね合いから、説明会の動画を視聴するかたちで免除されました。
そこで体外受精には「採卵」と「移植」の2つのフェーズがあること。採卵の方法、受精から妊娠にいたるまでの流れを知りました。
夫もこれを見て、何か思うところがあったようです。今まで以上に協力的になってくれました。
「やるしかない」から、やるしかない
私のとる低刺激周期法では、前述のクロミッドのほか少量の「ホルモン注射」も取り入れることになりました。
同時に、子宮内膜の厚みと状態を調べる際に別の検査も並行しておこないました。
D4、D6、D8 | ホルモン自己注射 |
---|---|
D9 | 慢性子宮内膜炎検査 |
つまるところ、これが私の 第一の試練 となったのです。
「D4、D6、D8」ホルモン自己注射
低刺激・中刺激周期ともに避けては通れないのがホルモン注射、もとい「hMG注射」です。
ヒト閉経後ゴナドトロピン。卵巣に直接作用して排卵を誘発する。
これをクロミッドと併用することにより、体外受精の成績が向上するものと研究で認められています。
IVF40周期の成績は、152個(3.8/周期)の卵が採取され、96個(63.2%)が受精し、79個(52.0%)が分割した。35周期(87.5%)において、平均2.3個の分割卵が得られ、その全ての周期において胚移植を行った結果、3周期に妊娠が成立した。以上の結果より、CC-hMG法はCC単独法と比較した場合、IVF-ETにおいて優れた卵巣刺激法であると結論づけられた。
注射とはいいますが、筋肉注射というより” 脂肪注射 “のようなもので特別な技術を必要としないため 自分で注射 できます。
そう、理論上では。
院長
とまあ、院長の上手な口車に乗せられて「やるしかない」状況に追い込まれた私。
初日は看護士さんに見守られながら、2・3回目は自宅で。院長の予言どおり無事に完了できたわけですが、できることならもうやりたくないなあ。
自分のお腹に鋭利な針を突き刺す感覚、もう味わいたくないなあ…。
hMG注射キット3つで、計「2万5千円」かかりました。
「D9」慢性子宮内膜炎検査
hMG自己注射を計3回済ませたところで、再び血液とエコーから卵胞の発育状況を検査します。
このとき子宮内膜の状態も見るのですが、このクリニックではついでに「慢性子宮内膜炎検査」の実施が推奨されるとのこと。
細菌感染等による子宮内膜間質への形質細胞(CD138陽性細胞)の浸潤を特徴とした疾患。着床障害との関連性が注目されている。
引用:はなおかIVFクリニック品川
検査では、月経終了直後の子宮内膜基底層を採取します。要は” 一番底の部分 “ってことですね。
検査代、追加のhMG注射代あわせて「約3万円」かかりました。
さて肝心の検査ですが、今まで「子宮卵管造影検査」に始まり数多の検査をくぐり抜けてきた私です。
この過信が おおきな間違い でした。
痛い痛い痛い痛いいたーーーーい!!
看護士
院長
めちゃくちゃ痛い。
未だかつて味わったことのない、 不妊治療歴最大の痛み でした。
あまりに痛くて、それが本当にショックで、内診台で大泣きした私。看護士が腕をさすりながら「痛かったですね~」とやさしく声をかけてくださいますが、涙が止まりません。
軽く落ち着いてから内診台をおり、そのままリカバリー室へ案内されました。
絶望を感じながら、ただ泣き続けた
ベッドに座ってからも、涙がとめどなくあふれ出てきます。
お腹はズキズキと痛むし、生理でもないのに鮮血が出ている。このときのショックが引き金となり、ガマンしていた感情がふき出してしまったみたいです。
つらい。なぜ私ばかりこんな目に。なぜ…。
今思えば自己中心的だとわかるのですが、そのときの私はまさに八方塞がりで、いっぱいいっぱいで、絶望に侵食されていました。
リカバリー室に拡がる暗闇は、私の悲しみを無限に増殖していきます。私はまた泣きました。
そして私はこのとき、悲しみの深層でひとつ、あることを知ったのです。
悲しみは、人と分け合うことはできない
今となっては、不妊治療は決して珍しいものでもありません。
そのおかげで周囲の理解を得られるようになった反面、それが軽視される傾向もあります。
みんなが不妊治療する時代だからといって、患者の悲しみが軽くなることはありません。みんながみんな、自分にとって限りなく100に近い悲しみを背負っているのです。
ですから、不妊治療でつらい思いをする女性に対して第三者は、悲しみを受け止め、ソッと寄り添うことしかできないのだと。
いつか私が不妊治療を終えたとしても、この気持ちは決して忘れたくない。心に刻みました。
身も心も、痛みを感じなくなったみたい
気分は最悪でした。
世界からすべての色が消えたようでした。これ以上傷つくのが怖くて感情を封印し、使命感のみを胸に通院していました。
D10 | 採卵日・採卵数の目安判明 |
---|---|
D12 | 採卵(手術)日確定 |
「D10」採卵日・採卵数の目安判明
私の感情とは裏腹に、準備は着々と進行していきます。
医師
エコー検査を終えた私に、非常勤医師が微笑んで言いました。
採卵日・採卵数の目安
採卵日 | D15~D17 |
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採卵数 | 10個以上 |
この日は仕上げのhMG注射と、同時にプロゲステロンを下げ過ぎない薬の2種を注射し、翌々日に採卵日を決めることになりました。
また予期せぬ排卵を防止する目的から、アンタゴニスト法に用いられる錠剤「レルミナ」も処方されました。
調節卵巣刺激法のひとつ。体外受精の成功率を高める目的で、排卵をコントロールしつつ採卵するタイミングを合わせる治療法。錠剤のほか、注射や点鼻薬を用いることもある。
検査代、注射代、薬代などで「約2万円」かかりました。
「D12」採卵(手術)日確定
2日後になっても、経過は極めて順調とのことでした。
医師
「都合はどうですか?」なんて一切聞かれません。体外受精では、すべて卵胞の発育状況を最優先に進行していきます。
医師が言う日付は 絶対 なのです。
検査代、採卵準備キット代で「約2万円」かかりました。
局所麻酔か、静脈(全身)麻酔か
医師から採卵日を言い渡されたあとは、別室にて看護士から採卵の説明を受けます。
採卵前の準備や当日の流れ、持ち物などの説明を受けているなか、看護士から もっとも緊張する質問 が飛び出しました。
看護士
話を聞くと、私は採卵数10個以上と多いので「静脈(全身)麻酔」推奨とのこと。
実は私、これまでの人生で一度も全身麻酔を受けたことがありません。未知のものは怖いので、多少痛くても局所がいいと思っていたのですが…。
看護士
ここまで言われたら抗う術はありません。
えーん怖いよぉー!
やると決めたのは、ほかならぬ自分なのだ
採卵日が確定したことで、私のなかで覚悟のようなものが芽生えてきました。
不妊治療はお金も、体力も、時間も使う。
それでもやると決めたのは私自身じゃないか。
私がここで踏ん張らなくてどうするのだ。
採卵日は夫も半休を取ってくれるし、家族や親友は心から応援してくれている。
D13 | 点鼻スプレー&自己注射&服薬 |
---|---|
D14 | 排卵予防薬の服用 |
採卵へ向けてようやく前向きになれた私。あとは、身体を万全の状態に整えるだけです。
「D13」点鼻スプレー&自己注射&服薬
繰り返しますが、採卵は卵巣を” 排卵直前の状態 “に仕上げなければなりません。
なぜなら排卵間近になることで、ようやく卵胞のなかの卵子が成熟するからです。未成熟卵では受精能力がないため、採卵できても受精の期待はできません。
そこでキモなのが、採卵2日前の準備です。
採卵2日前の準備
私の通うクリニックでは、採卵予定時間の38時間前に以下のとおり指示がありました。
ブセレキュア点鼻薬 | 左右各2回×2 |
---|---|
hCG自己注射 | 1回 |
「ブセレキュア点鼻薬」は人工授精(AIH)でも登場した点鼻スプレーです。
AIH時の2倍量を噴霧し、排卵を誘発していきます。
また点鼻スプレーと同時に、同じく排卵を誘発する注射「hCG注射」もおこないます。
ヒト絨毛性ゴナドトロピン。人工的にLHサージを誘発でき、注射後約1日半後に排卵する。
文字どおり排卵直前に採卵するため、欠かせない薬剤です。
「D14」排卵予防薬の服用
点鼻スプレーとhCG自己注射で排卵を促すうえで、注意したいのが予期せぬ排卵です。
卵胞の発育がよいので、何かの拍子で排卵してしまうこともなくはありません。そのため採卵時までに排卵をしないよう、「ボルタレン錠」を内服していきます。
「LUF(luteinized unruptured follicle)」に効果のある薬剤。排卵されないまま黄体を形成するはたらきをする。錠剤のほか、座薬が用いられることも多い。
引用:コウノトリナビ
私の場合2日前(D13)の深夜、1日前(D14)の朝食後・夕食後の計3錠が処方されました。
おわりに
初めての採卵。初めての全身麻酔。怖くて仕方がなく、前夜はベッドのなかで静かに涙した私。
そんな私を、夫は何も言わずやさしく抱きしめてくれました。
夜が明けた採卵当日の朝には、私にもう迷いはなくなっていました。
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