こんにちは。うい(@uiuiuipot108081)です!
不妊治療では種々様々な薬が処方されます。
具体的には排卵誘発剤や経口避妊薬(ピル)、各種抗生剤などは関連性が深いです。しかしなかには、” ある目的 “をもって漢方薬が処方されることもあります。
ここでは、私も実際に服用した「柴苓湯」を特集していきます。なるべくわかりやすくご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
こんな人におすすめ
- 不妊治療中
- 不妊症に効く漢方が知りたい
- 病院から柴苓湯を処方された
- 多嚢胞性卵巣症候群と診断された
本記事にはPRが含まれます。あらかじめご了承ください。
「柴苓湯(サイレイトウ)」とは
実は柴苓湯は、不妊治療に限ってのみ処方されるわけではありません。
そこでここでは、まず柴苓湯がどんなはたらきをするのか、どういった副作用があるのかというところから見ていきます。
「柴苓湯」の一般的な効果・効能
柴苓湯はおもに、以下の症状を改善する目的で用いられます。
- 水溶性の下痢
- 夏バテ
- 急性胃腸炎
- むくみ
漢方では、以下3つの要素が体内を巡ることで健康が維持される、という考え方をします。
これらのバランスが崩れると、体に不調をきたすのだそうです。
このうち柴苓湯は体内の「水」の循環を改善する役割をします。具体的には体内の過剰な水分を取り除く効能です。
「柴苓湯」の副作用
柴苓湯には注意したい副作用もあります。
- 口渇
- 胃部不快感
- 便秘
- 食欲不振
- 腹部膨満感
- 頻尿
まれに呼吸困難を伴う「間質性肺炎」、尿量が減少する「偽アルドステロン症」、体の倦怠感を伴う「ミオパチー」「肝機能障害」を引き起こす例もあります。
これらの症状があらわれた場合は服用をやめ、すぐに医師へ相談するようにしてください。
「柴苓湯」が有効な不妊症一覧
以上の内容をふまえ、柴苓湯が不妊症へどのように作用するのか追っていきましょう。
冒頭で触れたように、不妊治療領域において柴苓湯が処方される” 目的 “は、これらの症状の改善にあります。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
不妊治療で柴苓湯が処方される目的として、多くを占めるのが「多嚢胞性卵巣症候群」の改善です。
卵巣の表面が肥厚化して排卵周期が乱れ、排卵されないまま卵巣の中に卵胞が残り続けてしまう現象がPCOSです。その影響として生理不順を引き起こします。
月経中、排卵期以上のサイズの卵胞が卵巣内に所見されることで判定されます。
一般的にいって、こうした遺残卵胞が見られる場合は正しい排卵を促す治療が試みられます。
柴苓湯がPCOSに有効な根拠
柴苓湯は、PCOSに対し医学的に確かな効果を発揮すると証明されています。
東洋医学の研究結果では「PCOS患者に対し、柴苓湯を用いたことで排卵周期が回復した」と発表されました。
挙児希望のあるPCOS患者に対するクロミフェン無効例の治療に、柴苓湯を併用することにより排卵の回復や妊娠成立に至った6症例を経験した。
この研究結果では、排卵周期の回復がみられた6症例のうち3症例で不妊治療継続のすえ2~6クール後に妊娠成立に至ったと記述があります。
さらに全国的にみると、PCOS患者の 約87.5% で排卵周期が回復したとの報告もみられます(P87参照)。
不育症
柴苓湯の服用で改善が期待できる不妊症のひとつに「不育症」があります。
妊娠後に子宮内で赤ちゃんが育ちにくく、流産を繰り返してしまう症状のこと。
一般的に流産する確率は10~15%程度で、その半分以上は染色体異常が原因です。とはいえ、複数回の妊娠を経ても出産に至らないケースは正常とはいえません。
近年の不妊治療の発達により、” 自然妊娠とは異なったかたち “で妊娠するケースは増加傾向にあります。その裏で、不育症の発症例も増えているのだとか。
不妊治療を継続するのであれば、リスクへ備えるためにも不育症になりにくい体の状態に整えておく必要性は急務です。
柴苓湯にはアロマターゼ阻害作用があり、テストステロンとLHを低下させることがあります。PCOS患者ではないケースでは柴苓湯の服用に” 卵胞発育を抑制させるリスク “があるため、排卵日以降の服用が推奨されることがあるようです。詳しくは医師へ相談してください。
排卵障害
柴苓湯はこれまで挙げた症状以外にも、不妊をとりまくさまざまなファクターに大変効果的です。
たとえば「排卵障害」。
排卵させるまでの過程で異常が起き、卵胞が育たない、育っても正しく排卵されない症状のこと。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)もそのひとつですが、ほかに以下の症状への効能が認められています。
中枢性の排卵障害(視床下部・下垂体性排卵障害)
女性の体はストレスなどの外的要因に敏感です。
「中枢性の排卵障害」は不規則な生活やストレス、過度なダイエットなどによるホルモンバランスの乱れから引き起こされることが多いです。
生活習慣を見直しつつ、排卵誘発剤や漢方薬を併用しながらじっくり治療をおこないます。
卵巣機能低下
本来、卵胞は前述の中枢部から指令を得て育ちます。
ところが、指令に反応しないまま卵胞が育たないケースがあります。これを「卵巣機能低下(または不全)」といいます。
これは卵巣内の原始卵胞(AMH)の減少が原因となることが多いため、血液検査でAMH値を測定します。
著しく低い場合は別途治療を必要としますが、そうでない限りは漢方薬の柴苓湯などで体質改善をしながら、卵巣の反応を見つつ排卵誘発剤を併用していきます。
アンチミューラリアンホルモン(または抗ミュラー管ホルモン)の略称。発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンをいい、卵巣内にどれだけの卵が残っているかを反映するといわれる。
おわりに
不妊治療ではタイミング療法の段階から処方されることもある「柴苓湯」。
とても効果の高い漢方薬ですが、あくまでクスリです。こればかりに頼らず、生活習慣の見直しなど改めて意識していきたいですね。
また症状によってはマイナスに作用するケースもあるため、服用の際は必ず医師へ相談するようにしましょう。
クリックで応援
不妊治療は、知識を身につけるところから一緒に始めてみませんか?
【採卵周期・前編】初めての体外受精に臨む私が、私へ贈るエッセイ