こんにちは。うい(@uiuiuipot108081)です!
不妊治療専門院へ転院して約1年。
いよいよ治療の最終ステップ「体外受精(IVF)」「顕微授精(ICSI)」へ進むことになり、先日ついに「採卵」を済ませたところです。
初めての「採卵」体験記
【採卵周期・前編】初めての体外受精に臨む私が、私へ贈るエッセイ
こうして初期胚(分割胚)を1つだけ凍結できた私は、1周期のお休みを経て、再び戦場(?)へ舞い戻ってまいりました。
そうです、 次は胚移植です。
妊活戦士、うい。初の「凍結胚移植」へ向け、全身全霊を賭けて臨みます。
こんな人におすすめ
- 不妊治療中
- 体外受精を控えている
- 体外受精の体験記を読みたい
- 不妊治療のステップアップを検討している
本記事にはPRが含まれます。あらかじめご了承ください。
凍結胚移植へ向けた準備
お休みの周期をリセット(生理)できしだい、早速「移植周期」へと進んでいきます。
D2 | ホルモン補充移植決定 |
---|---|
D9~D15 | 移植日の確定 |
着床率を上げるためにできること
妊活戦士へ贈る胚移植前後のジンクス5選。由来と信憑性はいかに!?
「D2」ホルモン補充移植決定
まずは採血をおこない、以下の値から移植できる状態か検査していきます。
FSH | 卵胞刺激ホルモン |
---|---|
LH | 黄体刺激ホルモン |
E2 | 卵巣ホルモン |
私はいずれも基準値を満たしていたため、今周期は予定どおり移植することになりました。
なお、医師曰くグレード3の受精卵の妊娠率は当院で「10~15%」とのこと。良好胚と比べ半分以下の狭き門です。
ホルモン補充周期の処方薬
胚移植には自然排卵に合わせて移植する「自然周期法」のほか、「ホルモン補充周期法」があります。
私の通うクリニックでは後者を取られることが多く、私もホルモン補充のうえ移植することになりました。それにあわせ、ここから以下のくすりを服用していきます。
エストラーナテープ
この業界では超!ポピュラーな卵巣ホルモン経皮薬「エストラーナテープ」。
お腹の部分へ1日置きに貼り換え、肌を通してE2を補充します。治療の進行度に合わせて枚数が増減し、最大で8個貼った日も。
ユベラN
「ユベラN」はビタミンEの錠剤です。
ビタミンEには子宮内膜の血流改善や、厚みを補完するはたらきがあるといわれています。移植周期にはビタミンDとセットで摂りたい栄養素です。
「D9~D15」移植日の確定
以降はD9とD15にそれぞれ採血・内診を通し、経過を診ていきます。
院長
エストラーナテープの効果でE2の値はみるみる上昇。子宮内膜の厚みも「11ミリ」と好成績で、移植に向けた準備は万端のようです。
一般的にいって、移植時の子宮内膜の厚みは「7ミリ以上」が望ましいようです。
そうして移植当日に向け、既存の2種にくわえ新たなくすりが処方されました。
ルトラール
黄体ホルモン補充薬です。
黄体ホルモンは受精卵の着床を助けるほか、妊娠を継続させるためにも欠かせないホルモンといわれています。
子宮前屈?後屈?
子宮というのは一般的にお腹側へ傾いていますが、逆に背中側へ傾いている状態を「子宮後屈」というようです。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
昔は不妊との関連性が指摘されていた子宮後屈ですが、今は 無関係 だと医学で立証されています。
ではなぜこの違いが移植で注目されるかというと、ずばり移植方法に関係してくるからですね。
看護士
胚移植時にもっとも重要な 「尿溜め」 。
受精卵の移植位置を決めるエコー検査で、子宮内を見えやすくするために必要な手順ですが、子宮後屈の人は尿が少ないほうが見えやすくなる傾向があります。
術後にチューブで導尿する人も多いなか、その手間がないのは何だか気楽ですね(笑)
凍結胚移植当日の流れ
さあ。いよいよ凍結胚移植当日がやってきました!
11:30 | 移植胚の報告 |
---|---|
11:45 | 移植後の薬処方 |
12:00 | レーザーによる血行促進 |
12:20 | 手術室へ入室 |
12:40 | 移植終了 |
13:40 | 退院 |
「11:30」移植胚の報告
まずは培養士から、本日移植予定の受精卵の説明を受けます。
培養士
融解後の受精卵の写真を見ると、何ともいえない感情が込み上げてきます。すでに愛おしい。
受精卵は凍結・融解時に少なからずダメージを受けています。極稀に変性が起き、移植できなくなることもあるようです。
「11:45」移植後の薬処方
移植に先立ち、まず看護士から移植後のくすりを処方していただきます。
- E2補充薬「エストラーナテープ」
- ビタミンE「ユベラN」
- P4補充薬「ルトラール」
- P4膣座薬「ルティナス」 NEW!
ニューフェイスは初めての「膣座薬」。
ルティナス膣錠
同じくP4(プロゲステロン)を補充し、着床・妊娠継続を助ける薬剤です。
筋肉注射に比べて患者自身で投与しやすく、効果の高さも医学的に立証されています。
P4膣坐剤を調製し、P4補充療法を試みたところ血漿中P4濃度は徐々に上昇し、P4が膣より吸収されることが明かとなった。 ― 膣坐剤を用いることにより、注射回数および総投与量を著しく減少させることが可能であった。
具体的なやり方は専用のアプリケーターを用い、錠剤を膣へ挿入します。タンポンを使ったことのある人なら抵抗は少ないです。
くすりの説明を受けたあとは子宮の収縮を防ぐ目的でP4を筋肉注射し、リカバリー室へと案内されました。
「12:00」レーザーによる血行促進
用意されたガウンへ着替えたあとは持参した水を少量飲み、お小水を溜めます。子宮前屈の人は1本以上飲みきるようです。
しばらくのちに看護士による腹部レーザー照射を受け、子宮の血流を良くしていきます。
「12:20」手術室へ入室
程なくして名前を呼ばれ、手術室へ入室。あの、採卵手術の日と同室です。
採卵のときと同じように脚をがっちりと固定され、看護士が医師を呼びに行きます。部屋の隅にあるドアへ目をやりながら待っていると…?
/ ガララッ \
なんと部屋の一辺全体が観音扉のように開き、3名以上の医師団が ザッザッ と音を立てるようにして入室してきました。
予想外の登場の仕方に緊張度が飛び跳ねる。サプライズヤメテ。
「12:40」移植終了
移植自体は本当にあっという間でした。前後の処置を含め、10分もかかっていないと思います。
手術室を退室したあとは30分間絶対安静、です。30分経過後はお手洗い可ですが、戻ったあとは再び30分間横になりましょう。
移植後の安静時間についてはクリニックにより方針が大きく異なります。当院でも「推奨」くらいで、急ぐ場合は安静にせずそのまま退院してもいいようです。
「13:40」退院
移植からぴったり1時間経過したら、お会計を済ませて退院です!
凍結胚の融解代、移植の処置代、薬代あわせて「約15万円」かかりました。
胚移植後の体調の経過と結果
ここからは凍結胚移植後の、私の体調の経過を追って記録していきます。
初期胚(分割胚)移植日を0日とし、翌日からET(Embryo Transfer)1…という数え方をしていきます。胚盤胞移植ではBT(Blastocyst Transfer)です。
「ET1~ET3」ほぼ自覚症状なし
- ほぼ自覚症状なし
- 便秘気味
翌日から3日目までは自覚症状がほぼなく、いつも通り生活していました。しいて言えば、便秘が少々気になる程度でしょうか。
移植後から判定日の間は激しい運動厳禁なため、ヨガは易しいレッスンを受講しています。
ただ3日目の夜くらいになり、急に腰全体が鈍く痛みを感じるようになりました。
「ET4」着床出血
- 着床出血
- 腹痛
- 体の火照り
- 腰痛
- 胸の痛み
- 倦怠感
朝起きてトイレへ行くと、おりものシート全体が赤茶色に染まっていて驚きます。
それからというもの、一気に 諸症状のオンパレード 。マジで体全体がとにかく痛くてだるい。何だこれ…。
検索すると「妊娠超初期症状」に該当する部分も多く、(もしかして)という期待だけを胸にやり過ごしました。そうでも思わないとやっていられないくらい辛かった。
「ET5~ET7」重い諸症状
- 重い腰痛
- 脚の付け根の痛み
- 体が熱い
- 重い子宮痛
- 下着の締め付けが苦しい
- 眠い
このあたりが一番辛かったですね。
ET5の朝には茶色い点がポツポツ程度の出血に治まりましたが、諸症状はどんどんエスカレート。さながら腰・お腹・胸のサラウンドアタックです。
私はデスクワークが主なのですが、腰の痛みのせいで座り仕事は2時間が限界。
この間は家に引きこもっていましたが、比較的締め付けが緩やかなブラトップでさえ苦しく感じるほど。もう何もできないので21時頃には横になる日もありました。
しかし体がほてって熱く、まあ寝付けない。眠いのに眠れない苦しみはしばらく続きました。
「ET8~ET10」症状緩和
- 軽い下腹部痛
- 胸の軽い痛み
じわじわと症状が和らいでいく感覚がありました。
腰痛・腹痛・胸の痛みはいずれもありますが、初期に比べるとかなり軽いです。気になっていた便秘もすっきり解消。
…とまあ、本来なら体調回復は喜ばしいことなのですが、このケースではそうともいえません。
明日、運命の判定日です。
「ET11」運命の妊娠判定日
採血ののち、判定はあっけなく告げられました。
理事長
自分の体のことです。判定を聞かずとも結果はわかっていました。症状が軽くなってきた頃から、ああダメだったんだ…と。
でも、たとえわかっていても…。
医師の前では冷静にいましたが、お会計を終え、道を歩いていたときに突然、波がきました。目から涙があふれて、スーッと頬を伝って落ちていきました。
こうして、私の初めての採卵~移植周期は、静かに幕を閉じたのです。
この日は検査代、薬代あわせて「約2万円」でした。
次回の採卵へ向けて
初めての凍結初期胚移植はこうして残念な結果に終わりましたが、一歩前進はできました。
医師曰く、着床出血があったということは” かすった “のだろうと。妊娠が継続できなかった原因は受精卵の「染色体異常」にある可能性が高いというのです。
つまり私のケースでは「質のいい受精卵」確保が最大の課題、ということになります。
そこで夫とふたり、次回の採卵~移植に向けた課題を列挙しました。
夫 | 妻 |
---|---|
適度な運動 | 早寝早起き |
飲酒量の調整 | 規則正しい生活習慣 |
栄養のある食事 |
いずれも当たり前のことばかりなのですが、改めて” 個々の体づくり “を見直していきたいです。
おわりに
以前から夫と話して決めていたことですが、私たちは次回の採卵を 最後 にするつもりです。
そこで良質な卵子が採れ、グレードの高い受精卵を複数凍結できたらそれに望みを託します。なお妊娠が叶わなければ、そこで私たちの不妊治療は終わりにすると決めました。
理由はお金や時間、体力的な問題もあります。しかし何より、私は疲れてしまったんです。
夫や家族、大切な友達、そして私自身から、自分の体へ向けられる期待に。
それに応えられない現実に。
医学的にも、私の年齢であれば移植2~3回で妊娠しておかしくない確率です。それで妊娠できなければ、ふたりで生きていく運命なのだと受け入れるつもりでいます。
もし先々、決断に迷う私が改めてこの記事を読んだなら、私は私に伝えたい。
「あなたは十分頑張った。お疲れさま。もう休んでいいんだよ」…って。
でも今は「妊娠おめでとう。よく頑張ったね」と言える未来のため、もう少し頑張ります。
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